最適な睡眠時間は何時間?

「睡眠負債」といった言葉が流行語になる現代ですが、健康を保つためには実際には何時間の睡眠が必要なのでしょうか?
古くからいわれる8時間説、眠りのサイクルである90分の倍数、質がよければ時間は関係ない…など
世の中にはさまざまな説が溢れています。

日本人成人の平均睡眠時間の現状は

男性:5時間以上6時間未満(28.6%)6時間以上7時間未満(35%) 7時間以上8時間未満(20%)
女性:5時間以上6時間未満(32.9%)6時間以上7時間未満(33.4%)7時間以上8時間未満(16.9%)
(厚生労働省国民健康・栄養調査(平成29))

これらの数字から女性の睡眠時間が短い傾向にあることがわかります。さらに年代別にみると40代~50代では睡眠時間が6時間未満の割合が男性で48.5%、女性では52.4%とますます顕著。仕事に家事に子育てに…大忙しの女性の現状です。
OECD(経済協力開発機構)が行った世界の15歳~64歳の男女を対象にした平均睡眠時間の調査(2018)では、日本人の睡眠時間はダントツの世界ワースト1位でした。
まさに、眠らない国ニッポン。睡眠がもたらす効果を考えれば、これは社会問題のひとつといえるでしょう。

短すぎも長すぎもリスク?!

アメリカで実施された100万人以上の被験者を対象とした調査によると、睡眠時間が7時間前後の人たちの死亡率が低い傾向にあることが報告されており、日本で行った追跡調査でも同様の結果が得られています。
日本、米国、ドイツ、英国、カナダの睡眠時間などのデータをモデル解析した調査結果(米国のシンクタンク「ランド研究所」)によると、一晩あたり平均6時間未満の人は、7時間から9時間寝ている人よりも死亡リスクが10%高くなるそうです。睡眠時間と死亡リスクにはU字型の関連性が認められていて、短すぎても長すぎても健康に良くないことがわかっています。

long sleeperとshort sleeper

一般的に6カ月以上の間、睡眠時間が9時間以上の人をlong sleeper、6時間以下の人をshort sleeperと分類します。それぞれの睡眠の内容を比較してみると、long sleeperの人たちはshort sleeperよりも浅い眠りが長時間続く傾向にありますが、深い睡眠の時間にはどちらもほとんど差がないことが分かっています。深い睡眠は、睡眠前半に集中することから、5時間以上の睡眠をとっていれば、深い睡眠の長さはあまり変わらないといえます。
睡眠に関する悩みとして挙げられる「目覚めの悪さ」「日中の眠気」「なかなか寝付けない」「途中で目が覚める」「朝早く目覚めて眠れない」などと睡眠時間の関係を調べた研究では、平均的な睡眠時間7~8時間の人たちが最もこれらの悩みが少なく、long sleeperもshort sleeperにもこれらの悩みが多くあることが分かりました。


最適かつ必要な睡眠時間とは十人十色とはいうものの、一般的には7時間~8時間が適正時間
ただ長く寝たからよいものでもないし、6時間で大丈夫と思っている方がいつも昼間に眠気を感じたり、週末に平日よりも多く寝ないといられないなど思い当れば睡眠不足と考えられます。
「7時間寝なきゃ」などと時間にとらわれてかえって眠れなくなるのももったいない…
自分にとってのベストな睡眠をマネジメントすること。
忙しい現代人だからこそ、睡眠以外の時間を充実させるためにも必要なスキルかもしれません。

この記事を書いた人

大原智子
大原智子睡眠インストラクター・快眠カラーコンサルタント/健康管理士一般指導員
『夜になれば眠るのが当たり前』じゃない現代日本人。
平均睡眠時間は世界ワースト1、5人に1人は睡眠に問題を抱えている現状。
"一億総活躍社会" "働き方改革"と叫ばれる社会の裏で、睡眠時間を削って働き心身の健康を害したり、多くの女性たちがいくつもの役割を全うするために睡眠時間を削って頑張る姿を目の当たりにします。
「睡眠」の時間・質の向上によって、その人が持つ最高のパフォーマンスが発揮され、健康(病気でない)ということだけでなく、それを基盤とした豊かでイキイキとした人生をゴールとしたウェルネスライフにつながることを、多くの皆様に伝え、共有できることを望んでいます。一人でも多くの人が「良く寝た」「すっきりした」と朝を迎えるために、『医療の手前』で出来ることに向き合い、取り組んでいます。
まずは、知ること、そして意識を変え、行動を変え、習慣化させる…良質な睡眠の力で、健康も美しさも手に入れましょう。